大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)は健康管理や早期の病気発見に重要な検査のひとつですが、費用が気になる人も多いのではないでしょうか。
また、費用そのものだけではなく「保険の対象になるの?」「国や自治体の助成はあるの?」といった点なども知っておきたい項目です。
大腸内視鏡検査は保険適用の有無によって金額が異なるため、事前に費用について理解しておきましょう。
この記事では、大腸内視鏡検査の費用について詳しく紹介します。
「大腸内視鏡検査を受けてみたいが費用が気になる」という人は、ぜひ参考になさってください。
大腸内視鏡検査の費用は?
大腸内視鏡検査の費用は保険適用の有無や、追加の処置が必要かどうかで料金が変わるため、事前の確認をおすすめします。
ここでは、検査の基本的な費用から、保険が適用される場合と自己負担のケースについて紹介します。
大腸内視鏡検査の一般的な内訳
大腸内視鏡検査にかかる基本的な費用は、検査に必要な複数の項目で決まります。施設ごとに異なる料金体系が設けられている場合が多いですが、多くの施設では以下の項目が代表的です。
- 検査前の診察費用
- 検査料
- 薬剤(下剤、鎮静剤など)
麻酔・鎮静剤は使用されるケース、使用されないケースがあり、医師の判断や患者さんの希望によって変わります。気になる人は診察時に相談してみるとよいでしょう。
このほか検査中にポリープが発見され、切除をした場合には、切除費用や切除したポリープの検査費用などの追加費用がかかることもあります。
公的医療保険適用の場合の費用
日本の医療制度では、大腸内視鏡検査も公的な保険が適用される場合があります。保険が適用されれば自己負担額が1~3割となり、数千円からの金額で済みます。(全国一律)
以下のケースは保険が適用されるため、事前に把握しておきましょう。
- 便潜血検査が陽性だった
- 便通の異常や腹痛などの症状が見られる
- CT・腫瘍マーカー・PETなどの検査で要精密検査の結果が出た など
医師が診察した上で『医療上の必要性がある検査』と判断された際には保険が適用されます。「大腸内視鏡検査が必要かもしれない」と思うような症状があれば、まずは医師に相談してみてください。
また、後述する国や自治体の助成制度の対象になればさらに負担が軽くなる場合もあります。保険の適用条件をしっかり理解し、無理のない範囲で検査を受けましょう。
広尾クリニック内科・消化器でも、保険適用での大腸内視鏡検査が可能です。
費用についてはホームページでご確認いただけるほか、受付やお電話などでもご質問いただけますので、お気軽にご確認ください。
自費診療時の料金とその条件
予防目的での検査は保険の適用対象外となるため全額自己負担となり、18,000〜30,000円ほどの費用がかかります。
麻酔や鎮静剤を使用する場合はさらに料金が上がると考えておきましょう。
自費診療のケースでは、病院やクリニックによって価格設定が異なるため、複数の施設での事前見積もりや、料金プランの確認などがおすすめです。
自費診療は保険診療に比べると費用がかかりますが、大腸に関する病気を早い段階で発見できます。
病気が進行すれば治療には検査以上の費用がかかるだけでなく、健康も損なわれてしまいます。ぜひ検査を検討してみてください。
なお、検査中にポリープなど治療が必要な病気が発見された場合は保険が適用となるケースもあります。
このあたりは少々複雑に思えるかもしれませんが、医療機関や検査を受ける施設に質問すれば詳しく説明してもらえます。当院でも具体的にお伝えしますので、いつでもご質問ください。
検査の内容や追加オプションで変わる費用
大腸内視鏡検査の費用は、検査の基本料金に加えて、オプションの有無によって異なります。特に麻酔・鎮静剤の使用やポリープ切除といった追加処置は別途費用がかかるため、事前の確認が必要です。
ここでは、それぞれのオプション内容と費用について紹介します。
大腸内視鏡検査のオプションとは?
大腸内視鏡検査には、検査をより快適・正確に行うためのオプションがいくつか用意されています。一般的なオプションとしては麻酔・鎮静剤の使用やポリープ切除が代表的です。
麻酔・鎮静剤などを使用することで痛みや不快感を軽減したり、検査中にポリープが見つかった場合にその場で切除して生検へ出したりできるなど、苦痛の少なさや迅速な検査に重点を置く人には特におすすめします。
麻酔・鎮静剤の使用は、特に痛みが苦手な人や、よりリラックスした状態で検査を受けたい人に選ばれることが多いです。
一方、ポリープ切除は、早期に発見した腫瘍性ポリープの除去・生検を行うことにより、大腸がんのような重大な病気の予防効果も期待できます。
このようなオプションは、検査を受ける施設や医療機関の方針によって料金や提供される内容が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
広尾クリニック内科・消化器でも鎮静剤の使用・ポリープ切除・生検などに対応しております。検査実施前にご相談いただけますので、お気軽にお声掛けください。
麻酔・鎮静剤の使用による費用の違い
大腸内視鏡検査では、痛みや不快感を感じる場合があります。麻酔や鎮静剤などを使用することでそのような負担を軽減しやすくなりますが、追加の料金が発生する点には注意が必要です。
例えば当院・広尾クリニック内科・消化器では、鎮静剤を使用しない検査は3割負担で5,500円前後、鎮静剤を使用した検査は同じく3割負担で6,500円前後の費用設定(税込)です。
当院の例では鎮静剤の料金がおよそ1,000円だとお考えください。
麻酔や鎮静剤の有無を選ぶ際には、費用面の計画のほか、痛みへの耐性やリラックスした状態での検査を希望するかによって決まります。
麻酔や鎮静剤を使用することで負担が減り、スムーズに検査を進められるメリットもあるため、快適さと費用のバランスを考慮し、適切な選択をしましょう。
ポリープ切除の費用
大腸内視鏡検査中にポリープが発見された場合、その場でポリープを切除する処置が行われることがあります。
ポリープ切除には追加費用がかかることが一般的で、値段は切除部位(領域)によって異なり、保険の適用が可能です。
例えば、当院・広尾クリニック内科・消化器では以下のような費用設定(税込)になっています。
切除した領域 | 費用目安(3割負担) |
---|---|
1領域 | 20,000円前後 |
2領域 | 24,000円前後 |
3領域以上 | 27,000円前後 |
なお、上記は切除したポリープの生検費用も込みの価格です。
費用が気になる場合は事前に医師とよく相談して、ポリープが発見された場合の切除をどうするか、トータルの費用はどれくらいになるのかなど、しっかり確認しておきましょう。
検査費用の事前確認のポイント
大腸内視鏡検査を受ける際、オプション料金や追加で発生する可能性がある費用についての事前確認は大切です。
受診する施設ごとに料金が異なるため、細かい部分まで確認した上で受診施設を決定しましょう。
ここでは、事前確認の重要なポイントを紹介します。
施設ごとの費用の違い
大腸内視鏡検査は、施設の方針や提供される内容に応じて料金が異なる場合が多く、人間ドックを含めた自費診療で受ける場合は差が大きくなる点に注意が必要です。
費用を確認する際には、検査内容や追加オプション、さらに保険適用の可否も併せて確認しておくとよいでしょう。
比較検討を行う際には、公式ホームページなどを利用して情報を集めるとともに、直接問い合わせて詳細を確認しておくと安心です。
問い合わせの際には希望するオプションについても伝えておきましょう。
なお、人間ドックの大腸内視鏡検査は基本的に自費診療ですが、検査の結果、要精密検査になった場合には保険が適用されます。
また、人間ドックでほかの検査を行い、何らかの病変が疑われ、大腸内視鏡検査を勧められた場合も保険の適用対象です。
初診料や検査前の診察費用
大腸内視鏡検査を受けるにあたり、初めて訪れる病院やクリニックでは、検査前の初診料や事前の診察費用が発生することが一般的です。
初診料は医師が患者の状態を把握するための問診や診察にかかる費用であり、検査内容や流れ、費用についての相談も含まれることが多くなっています。
大腸内視鏡検査は事前準備が必要であり、食事制限や下剤の使用などの説明を受けるための準備や診察による費用が発生するケースもあります。
このような費用は一般的に保険が適用されることが多いですが、施設によって詳細が異なるため、初診時に発生する費用についても確認しておくとよいでしょう。
大腸内視鏡検査の費用負担を軽減できるケース
大腸内視鏡検査は健康管理において重要な役割を果たす一方で、費用負担が気になる方も多いでしょう。しかし、条件が合えば検査費用を抑えられる可能性があります。
ここでは、医療費控除や助成制度の活用などについて詳しく紹介します。
医療費控除の対象になることもある
大腸内視鏡検査は医療費控除の対象になるケースがあります。
ただし、医療費控除の対象となるのは治療を目的として実施される検査で、予防目的では対象外になるため注意が必要です。
例えば人間ドックで受けた便潜血検査が陽性のため大腸内視鏡検査を受け、ポリープを切除したケースなら、人間ドックの費用そのものが医療費控除の対象です。
ただし、切除したポリープが良性でその後の治療の必要もない場合、医療費控除の対象外になることがあるため病院の窓口や税務署などで確認しておきましょう。
医療費控除を受けるためには確定申告が必要であり、翌年の2月16日から3月15日までに手続きを終える必要があります。
大腸内視鏡検査に関する費用だけでは10万円を超えないとしても、家族の医療費も合算した金額で申告できるため、年末に1年間の医療費を確認してみてください。
自治体による検査費用助成制度
自治体によっては、大腸がんの予防や早期発見を目的に、健康に関する検査費用を助成する制度を導入しているところもあります。
例えば東京都港区では大腸内視鏡検査そのものは無料ではありませんが、定期的に大腸がん検診(無料)を実施しており、検診で異常があれば保険適用で大腸内視鏡検査が受けられます。
全国の自治体でも同じ制度が設けられていることが多いため、ぜひお住まいの自治体の制度を確認してみてください。
異常がなく、大腸内視鏡検査を受けなくてもよいことが一番ですが、自治体の検診を活用することで、費用を節約しながら大病に備えやすくなるでしょう。
健康保険組合の助成制度
お勤め先が加入している健康保険組合による助成制度についても確認がおすすめです。
健康保険組合によっては、大腸内視鏡検査の費用に対して補助金を出すケースがあります。対象になる条件は健康保険組合ごとに異なるため、担当部署や組合などに問い合わせてみてください。
まとめ
大腸内視鏡検査の費用は、検査内容や受診する施設によって異なりますが、保険が適用されるケースや自治体の助成制度が活用できるのであれば、費用負担を抑えやすくなります。
また、医療費控除の利用もおすすめです。大腸内視鏡検査が医療費控除の対象になるかどうかは条件があるため、医師や税務署などに確認してみるとよいでしょう。
大腸内視鏡検査は内容によっては費用がかさむ検査ですが、保険や助成などを上手に利用すれば、費用面の心配を軽減しやすくなります。
病気から健康を守るためにも、検査を受けることを検討してみてはいかがでしょうか。
広尾クリニック内科・消化器では、大腸内視鏡検査で「つらい」「苦しい」「痛い」などの不安をできるだけ取り除き、スムーズに検査を受けていただけるように努めています。
明瞭な費用設定で、しっかり予算を立てて検査を受けたいという患者さんのご要望にもお応えしやすいシステムです。大腸内視鏡検査を検討している人は、一度お気軽にご相談ください。