一度切除しても、定期的な検査が大切です

過去に大腸内視鏡検査で大腸ポリープを指摘され、切除を受けた方は、「もう大丈夫」と考えてしまいがちです。しかし、大腸ポリープは一度切除してもゼロリスクになるわけではなく、別の場所に新しく発生したり、前回の検査で見つからなかったポリープがあったりすることもあります。

大腸がんの多くは良性のポリープから発生するといわれているため、定期的に大腸カメラ検査を受けてポリープの段階で発見・切除することが、大腸がん予防の観点でも非常に重要です。「いつ次の検査を受ければよいのか分からない」「前回の検査から何年も経ってしまった」という方は、一度消化器内科にご相談ください。

なぜ定期的な大腸カメラ検査が必要なのか

ポリープは再び発生することがあります

大腸ポリープを切除しても、将来にわたって新しいポリープができないわけではありません。加齢、生活習慣、体質などの要因が重なることで、前回と同じ場所ではなく、大腸の別の場所に新しいポリープが発生することがあります。この現象は「異時性病変」と呼ばれ、切除後のサーベイランス(経過観察)の対象となる所見のひとつです。ポリープ切除後の大腸カメラ検査では、少なくない頻度で新たなポリープが発見されることが知られています。

前回の検査で見つからなかったポリープも

大腸カメラ検査は精度の高い検査ですが、どんな検査でも100%の発見率ではありません。特に平坦型や陥凹型のポリープ、右側結腸に発生したものなどは、検査時の条件や観察の仕方によっては見落とされる可能性があります。定期的に検査を受けることで、前回見落とされた可能性のある病変を改めて確認することができます。

大腸がんの多くは良性ポリープから発生します

大腸がんの発症には加齢、飲酒、喫煙、食の欧米化といった生活習慣が大きく関わっているとされていますが、ほとんどは良性の大腸ポリープから発生するといわれています。そのため、良性のポリープの段階で発見し切除することが、大腸がんの予防につながります。過去にポリープを指摘されたことがある方は、それ自体が「大腸ポリープができやすい体質である可能性」を示すサインでもあるため、定期的な経過観察が大切です。

大腸ポリープの種類とがん化リスク

大腸ポリープにはいくつかの種類があり、大腸がん化のリスクはポリープの種類・大きさ・形・数によって異なります。過去に切除したポリープの種類によって、今後のサーベイランス間隔や注意すべきポイントが変わってきます。

腺腫性ポリープ(アデノーマ)

大腸ポリープの中で大腸がんの前段階となる病変として知られています。サイズが大きいもの(10mm以上)、絨毛(じゅうもう)成分を含むもの、高度異形成が認められるものは「advanced adenoma(高リスク腺腫)」と呼ばれ、大腸がん化のリスクが相対的に高いとされています。このタイプのポリープを切除した方は、より短い間隔でのサーベイランスが推奨されます。

過形成性ポリープ

直腸やS状結腸に多くみられる小さなポリープで、基本的には大腸がん化のリスクが低い病変とされています。切除しなくても経過観察で問題ないと判断されることが多いですが、サイズや部位によっては切除や経過観察が推奨されることもあります。

鋸歯状病変(SSLなど)

鋸歯状(きょしじょう)病変は、近年注目されているポリープのタイプです。以前は過形成性ポリープと同じくがん化のリスクが低い病変と考えられていましたが、研究が進むなかで、右側結腸を中心に発生する鋸歯状病変(SSL:sessile serrated lesion など)には大腸がん化の経路があることが分かってきました。この病変を指摘された方も、定期的なサーベイランスの対象となります。

ポリープのサイズ・形と経過観察の考え方

ポリープのサイズが大きいほど、また個数が多いほど、将来の大腸がん発生リスクは高くなる傾向があるとされています。過去の検査で切除したポリープの数・大きさ・形・病理診断の結果は、次回の検査間隔を決める重要な情報です。検査結果の記録をお持ちの方は、診察時にご持参いただけると、より適切な経過観察計画が立てやすくなります。

次の大腸カメラ検査はいつ受ければよいか

大腸ポリープ切除後の次回検査までの期間は、2020年に日本消化器内視鏡学会から発表された「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」において、切除したポリープの種類・個数・大きさなどに応じた目安が示されています。

一般的な経過観察の目安

ガイドラインで提案されている代表的な経過観察の目安は、以下の通りです。

  • 低リスク腺腫(2個以内、advanced adenoma以外)を切除した場合:3〜5年後
  • 腺腫3〜9個(advanced adenoma以外)を切除した場合:3年後
  • advanced adenoma(高リスク腺腫)または10個以上の腺腫を切除した場合:1〜3年後
  • ポリープを分割して切除した場合:約6か月後(切除部位の確認のため)

※上記はガイドラインに基づく一般的な目安であり、実際の検査間隔はポリープの状態、病理結果、切除の完全性、併存疾患、家族歴などを踏まえて、担当医が個別に判断します。前回の検査を受けた医療機関から、具体的な経過観察時期について案内があった方は、その指示に従うことをお勧めします。

こんな方は早めの検査を

以下に当てはまる方は、特に早めの大腸カメラ検査の受診をお勧めします。

  • advanced adenoma(10mm以上、絨毛成分あり、高度異形成のいずれか)を切除したことがある方
  • 多発性のポリープ(3個以上、特に10個以上)を切除したことがある方
  • 分割切除(一つのポリープを複数回に分けて切除)を受けた方
  • 鋸歯状病変(SSL)を指摘されたことがある方
  • 血縁者に大腸がんの方がいらっしゃる方
  • 前回の大腸カメラ検査から5年以上経過している方
  • 検査間隔の指示をご記憶でない方、前回の担当医に相談しづらい方

特に前回のポリープ切除から何年も経過している方は、自覚症状がなくても一度検査を受けることをお勧めします。

ポリープ切除後の生活で気をつけること

大腸ポリープ切除後、直後の回復期を過ぎれば、基本的には通常の生活に戻ることができます。厳しい食事制限や極端な生活習慣の変更は必要ありませんが、ポリープの再発予防の観点から、以下のような点に気をつけていただくとよいでしょう。

  • 脂肪や動物性たんぱく質に偏らず、野菜・果物・食物繊維をバランスよく摂る
  • 適度な運動習慣を心がけ、過度の肥満を避ける
  • 多量の飲酒を控える
  • 禁煙を心がける
  • 便通の異常や血便、腹痛などの症状が出た場合は早めに受診する
  • そして何より、ガイドラインや担当医の指示に沿った定期的な大腸カメラ検査を受ける

大腸がんの発症には、食生活の欧米化・飲酒・喫煙・運動不足などの生活習慣が関わっているとされており、同様の要因は大腸ポリープの発生にも影響すると考えられています。無理のない範囲でバランスの取れた生活を心がけることが、ポリープや大腸がんの予防に役立ちます。

症状がなくても、定期的な大腸カメラ検査を

大腸ポリープの多くは自覚症状がなく、定期的な大腸カメラ検査によってのみ発見できます。大腸がんも早期には自覚症状がほとんどなく、症状が出てから発見された場合には、内視鏡治療などの低侵襲な治療が選択できないこともあります。「前回切除した時は症状がなかったから大丈夫」ではなく、症状がないからこそ定期的な経過観察が重要である、とお考えいただければと思います。

当院では、日本消化器内視鏡学会専門医である院長が、虎の門病院を中心に培った約3万件の内視鏡経験をもとに、苦痛の少ない大腸カメラ検査をご提供しています。ご希望に応じて鎮静剤の使用も可能で、検査中に10ミリ程度までの大腸ポリープが見つかった場合は、そのまま日帰りで切除することもできます。過去の検査記録をお持ちの方は、診察時にご持参いただけると、より個別性の高い経過観察プランのご提案が可能です。

大腸内視鏡・当院の特徴はこちら

大腸内視鏡で分かる代表的な疾患はこちら

よくあるご質問

前回ポリープを切除したのですが、また大腸カメラ検査は必要ですか?

大腸ポリープは一度切除しても、別の場所に新しく発生することがあります。また、前回の検査で見逃されていた病変が後から発見されることもあります。そのため、ポリープ切除後は、ガイドラインや担当医の指示に沿った定期的な大腸カメラ検査が推奨されています。

次の検査はいつ頃受ければよいですか?

切除したポリープの種類・数・大きさ・病理結果によって、推奨される検査間隔が異なります。低リスク腺腫を2個以内切除した場合は3〜5年後、advanced adenoma(高リスク腺腫)や10個以上の腺腫を切除した場合は1〜3年後が目安とされています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、実際の検査間隔は個別の状況により判断されます。前回の検査医療機関からの指示を確認いただくか、当院にご相談ください。

ポリープの数が多かったのですが、リスクは高いですか?

切除したポリープの数が多い方、特に10個以上の腺腫を切除した方は、将来の大腸がん発生リスクが相対的に高いとされており、より短い間隔での定期検査が推奨されます。前回の検査で多発ポリープを指摘された方は、前回の検査結果を踏まえて適切な検査間隔をご提案しますので、診察時にご相談ください。

食事や生活で気をつけることはありますか?

ポリープ切除直後の回復期を過ぎれば、基本的には通常の生活に戻ることができ、厳しい食事制限は必要ありません。ただし、大腸ポリープや大腸がんの予防の観点からは、脂肪や動物性たんぱく質に偏らない食事、適度な運動、肥満の予防、多量の飲酒を控える、禁煙といった生活習慣の見直しが有用です。

広尾駅周辺で大腸カメラをお探しの方へ

広尾クリニック 内科・消化器は、港区南麻布に位置し、東京メトロ日比谷線「広尾駅」3番出口を出てすぐの場所にあります。麻布・恵比寿・白金エリアからもアクセスしやすい立地です。

  • 東京メトロ日比谷線「広尾駅」3番出口を出てすぐ
  • 都営バス「有栖川宮記念公園」バス停下車 徒歩4分

ご予約・お問い合わせ

  • TEL:03-3473-1199
  • 24時間WEB予約:ウェブサイトの予約ボタンよりご予約いただけます

初めてご来院される方は、あわせて「初診の方へ」のページもご覧ください。