- 大腸がんには「なりやすい体質」が関わることがあります
- 家族歴があると大腸がんのリスクは上がりますか?
- 遺伝性大腸がんとは
- 家族歴のある方の大腸カメラ検査のタイミング
- 家族歴のある方におすすめしたい生活習慣
- ご自身の家族歴を整理しておきましょう
- よくあるご質問
- 広尾駅周辺で大腸カメラをお探しの方へ
大腸がんには「なりやすい体質」が関わることがあります

親や兄弟姉妹など、ご自身の血縁者が大腸がんにかかったことをきっかけに、「自分も大腸がんになりやすいのでは」と不安を感じて検索されている方も多いと思います。
大腸がんの発症には、食生活の欧米化・飲酒・喫煙・運動不足といった生活習慣の要因と、遺伝的な体質の要因の両方が関わっているといわれています。血縁者に大腸がんの方がいらっしゃる場合は、同じような生活環境を共有しているという面と、大腸がんになりやすい遺伝的な素因を共有しているという面の両方から、ご自身の大腸がん発症リスクも一般の方より高くなる可能性があります。
ただし、「家族歴があるからといって必ず大腸がんになる」というわけではありません。リスクの度合いを正しく理解し、適切なタイミングで大腸カメラ検査を受けることで、大腸がんの早期発見・早期治療、あるいは予防につなげることができます。
家族歴があると大腸がんのリスクは上がりますか?
家族歴のある方のリスク
両親や兄弟姉妹などの「第一度近親者(親・子・兄弟姉妹)」に大腸がんの方がいる場合、そうでない方と比較して、ご自身が大腸がんを発症するリスクは**約2〜3倍**に上昇することが知られています。複数の血縁者に大腸がんがある場合や、若年で大腸がんを発症した血縁者がいる場合は、さらにリスクが高まると考えられています。
リスクが特に高い家族歴のパターン
以下のような家族歴がある場合、大腸がんの発症リスクが特に高い、あるいは遺伝性大腸がんの可能性がより考慮されます。
- 複数の血縁者(第一度近親者)に大腸がんの方がいる
- 血縁者が若年(50歳未満)で大腸がんを発症した
- 親・兄弟姉妹に、大腸以外のがん(子宮内膜がん・卵巣がん・胃がん・小腸がん・腎盂尿管がんなど)の方もいる
- 血縁者に「大腸にポリープが多発している」と診断された方がいる(家族性大腸腺腫症の可能性)
- 連続する2世代以上にわたって大腸がんの方がいる
こうした家族歴に当てはまる方は、一般的な検査開始年齢や頻度とは別に、より早期・高頻度での大腸カメラ検査が推奨されることがあります。
ただし、「家族歴=遺伝性」ではありません
家族内に大腸がんの方がいるからといって、すべてが遺伝性大腸がんというわけではありません。実際、医学的に遺伝性と明確に分かる大腸がんは、全大腸がんの約5%程度にとどまります。残りの多くは、遺伝的要因と生活習慣などの環境要因が複合的に関わって発症する「散発性大腸がん」と分類されます。
そのため、家族歴があるからと過度に不安になる必要はありませんが、一般よりリスクが高い可能性があることを意識して、定期的な検査を受けていただくことが大切です。
遺伝性大腸がんとは
遺伝性大腸がんは、生まれつき持っている特定の遺伝子の変化が原因となって、大腸がんや関連するがんを発症しやすくなる状態です。代表的なものに、リンチ症候群と家族性大腸腺腫症があります。
リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん・HNPCC)
リンチ症候群は、遺伝性大腸がんの中で最も頻度が高く、全大腸がんの数%程度を占めるといわれています。ミスマッチ修復遺伝子と呼ばれる遺伝子の機能異常が原因で、大腸がんだけでなく、子宮内膜がん・卵巣がん・胃がん・小腸がん・腎盂尿管がんなども発症しやすいことが知られています。大腸がんは比較的若年で発症しやすく、右側の大腸(盲腸・上行結腸)にできやすい傾向があります。
家族性大腸腺腫症(FAP)
家族性大腸腺腫症は、APCという遺伝子の異常が原因で、10代から20代にかけて大腸に100個以上の腺腫性ポリープが発生する疾患です。頻度は全大腸がんの1%未満と稀ですが、放置するとほぼすべての方が60歳前後までに大腸がんを発症するとされています。早期に診断し、計画的な治療や定期検査を行うことが非常に重要です。
遺伝性大腸がんの可能性が考えられる方
以下のような特徴が当てはまる方は、遺伝性大腸がんの可能性が考慮される場合があります。
- 50歳未満で大腸がんを発症した血縁者がいる
- 複数の血縁者(特に第一度近親者)に大腸がんの方がいる
- 連続する2世代以上にわたって大腸がんの方がいる
- 大腸がんと、子宮内膜がん・卵巣がん・胃がん・小腸がんなどが、同一家系に複数認められる
- 家系内に、大腸に多数のポリープがあると診断された方がいる
これらに当てはまる方は、一度消化器内科または遺伝性腫瘍を扱う専門医療機関でのご相談をお勧めします。遺伝性大腸がんの確定診断には、遺伝学的検査(遺伝子検査)が必要となる場合がありますが、検査を受けるかどうかを含めて、遺伝カウンセリングを行う専門医療機関での相談が推奨されています。
家族歴のある方の大腸カメラ検査のタイミング
一般的な検査開始の目安
症状や特別なリスク因子がない方の場合、大腸がん検診は40歳からの開始が推奨されています。しかし、血縁者に大腸がんの方がいる場合は、一般的な目安よりも早めに検査を開始することが推奨されています。
血縁者の発症年齢から考える目安
家族歴がある方の大腸カメラ検査の開始時期として、専門医のコンセンサスでは「血縁者が大腸がんを発症した年齢より10年早く検査を開始すること」が一つの目安とされています。
たとえば、お父様が45歳で大腸がんを発症された場合、ご自身は35歳から大腸カメラ検査を検討するといった考え方です。血縁者が若くして発症しているほど、早い段階からの検査が推奨される傾向にあります。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、家族歴の内容(人数・続柄・発症年齢)や、ご自身の年齢・症状の有無などを踏まえて、実際の検査タイミングは担当医が個別に判断します。自己判断で検査を先延ばしにせず、まずは一度消化器内科にご相談ください。
症状がなくても定期的な検査を
初回の検査で異常がなかった場合でも、家族歴のある方は将来にわたって大腸がん発症リスクがやや高い状態が続きます。初回検査後も、医師の指示に沿った定期的な大腸カメラ検査を受けることで、仮に将来ポリープやがんができた場合でも早期に発見することができます。
家族歴のある方におすすめしたい生活習慣
大腸がんの発症には、遺伝的な要因だけでなく、生活習慣などの環境要因も大きく関わっています。遺伝的な要因は変えることができませんが、生活習慣の改善は大腸がんリスクを低減するうえで、どなたにも取り組んでいただける予防対策です。
- 脂肪や動物性たんぱく質に偏らず、野菜・果物・食物繊維をバランスよく摂る
- 加工肉や赤身肉を多く摂りすぎないよう気をつける
- 適度な運動習慣を持ち、過度の肥満を避ける
- 多量の飲酒を控える
- 禁煙を心がける
- 便通の異常・血便・腹痛・体重減少などの症状に注意する
これらの生活習慣はすべて、大腸がんのリスクを高めることが分かっている要因の裏返しです。家族歴があるからこそ、生活習慣の面で予防に取り組むことの意義は大きいと言えます。
ご自身の家族歴を整理しておきましょう
消化器内科を受診される際、ご自身の家族歴を事前に整理しておくと、リスク評価や検査計画がスムーズに進みます。以下のような情報を可能な範囲で確認いただくとよいでしょう。
- 大腸がんになった血縁者の続柄(父・母・兄弟姉妹・祖父母・おじおば・いとこなど)
- 発症した年齢
- 大腸のどの部位にできたか(分かる範囲で)
- 治療内容・経過(内視鏡治療・手術・化学療法など、分かる範囲で)
- 大腸以外のがんの既往があるかどうか
- 大腸ポリープを多数指摘されていた方がいないか/li>
父方・母方の両方について、なるべく広い範囲で情報を集めていただけると、遺伝性大腸がんの可能性を含めた正確なリスク評価が可能になります。当院では、ご自身や血縁者の大腸がん・大腸ポリープの既往について、診察時に詳しくお伺いしたうえで、適切な検査計画をご提案いたします。
よくあるご質問
症状がないのに、大腸カメラを受ける必要はありますか?
第一度近親者(親・子・兄弟姉妹)に大腸がんの方がいる場合、専門医のコンセンサスでは「血縁者が大腸がんを発症した年齢より10年早く検査を開始すること」が一つの目安とされています。たとえば、お父様が50歳で大腸がんを発症された場合は、ご自身は40歳から検査を検討するといった考え方です。ただし実際のタイミングは個別の状況により異なりますので、まずは消化器内科でご相談ください。
兄弟が大腸がんです。自分も検査した方がよいですか?
兄弟姉妹も第一度近親者に該当するため、大腸がんリスクが一般よりやや高いとされています。ご自身の年齢、兄弟姉妹の発症年齢、他の家族歴などを総合的に考慮して、検査のタイミングを決めていくのが望ましいです。特に、兄弟姉妹が若年で発症された場合や、他にも血縁者に大腸がんがいらっしゃる場合は、早めの検査をお勧めします。
家族歴があると、必ず大腸がんになりますか?
家族歴があるからといって、必ず大腸がんになるわけではありません。リスクが一般より高くなる可能性があるというだけで、生涯にわたって大腸がんを発症しない方も多くいらっしゃいます。家族歴を「必ずなる」ではなく「定期的な検査と生活習慣の見直しで予防・早期発見できる」ととらえ、前向きに検査を受けていただければと思います。
遺伝子検査を受けた方がよいですか?
遺伝性大腸がんが強く疑われる家族歴(複数の血縁者が大腸がん、若年発症、大腸以外のがんとの重複など)がある場合は、遺伝学的検査(遺伝子検査)を検討する価値があります。ただし、遺伝子検査は結果のもたらす影響が大きく、ご本人や家族の心理面へのケアも必要であるため、遺伝カウンセリングを行う専門医療機関での相談が推奨されています。まずは消化器内科で家族歴をお伝えいただいたうえで、専門機関への紹介が必要かを含めて判断することが一般的です。
広尾駅周辺で大腸カメラをお探しの方へ
広尾クリニック 内科・消化器は、港区南麻布に位置し、東京メトロ日比谷線「広尾駅」3番出口を出てすぐの場所にあります。麻布・恵比寿・白金エリアからもアクセスしやすい立地です。
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