
海外在住中でも、一時帰国の際に人間ドックを受けておきたいと考える人は少なくありません。
特に胃カメラや大腸カメラなどの検査を含む健診は、健康状態の把握や病気の早期発見に役立つため、受けておくことをおすすめします。
限られた滞在期間の中で効率よく受診するには、費用、予約方法、検査結果の受け取り方などを知っておくと計画が立てやすくなります。
この記事では、海外在住者が一時帰国した際に、日本でスムーズに人間ドックを受けるための基本情報を紹介します。
一時帰国中に胃カメラや大腸カメラを含めた健康診断をしたい、人間ドックを利用したいと考えている人は、ぜひ参考になさってください。
一時帰国中でも受けられる人間ドックとは

海外在住中でも、日本への一時帰国を機に人間ドックを受ける人が増えています。
ここでは、受診可能な施設や予約の流れ、検査項目の内容、特に胃カメラ検査の位置づけについて詳しく紹介します。
海外在住でも受けられる?人間ドックの基本知識
人間ドックは、病気の早期発見や健康維持を目的とした総合的な検査であり、海外在住中でも一時帰国時に利用することが可能です。
施設によって多少の違いはありますが、一般的には以下のような検査が行われます。
- 血液検査
- 尿検査
- 胸部レントゲン
- 心電図
- 超音波検査 など
海外在住中であっても、帰国時にこれらの検査を受けることは可能であり、近年は短時間で一通りの検査を終えられる半日コースや、胃カメラなどを含む精密検査コースも多く提供されています。
特に短期滞在者向けには、検査時間を絞った効率的なパッケージが用意されていることもあり、時間に制約のある一時帰国中でも無理なく受診できます。
どこの医療機関で受けられる?予約の方法は?
日本全国には多数の人間ドック対応医療機関がありますが、一時帰国中の利用には立地と利便性が重要です。
成田・羽田などの空港周辺や、東京都心・大阪市内など大都市圏の施設は、海外在住者からのニーズが高く、スムーズに受診できる態勢を整えている医療機関も少なくありません。
多くの医療機関では、公式サイトを通じてオンラインでの予約が可能なため、帰国日程が決まり次第、早めに手続きするとよいでしょう。
当院広尾クリニック内科・消化器も、オンラインシステムで人間ドックをご予約いただけます。複数のパッケージプランをご用意しておりますので、気になる人はぜひご確認ください。
一時帰国者向けコースの有無
一部の医療機関では、一時帰国者を想定した専用コースを提供しています。
特徴として、英語対応の案内資料や、検査結果の英文診断書、検査時間を短縮したパッケージ構成などが挙げられます。
また、早朝スタートの枠や、午後の時間帯を活用したフレキシブルなスケジュール対応が可能な医療機関もあるため、限られた滞在日数の中でも効率よく受診できるでしょう。
このような対応はすべての施設で実施されているわけではないため、事前に公式サイトや電話で確認しておくとスムーズです。
支払い方法や使えるクレジットカード、必要な事前準備なども合わせて確認しておくとよいでしょう。
どんな検査が含まれる?胃カメラや大腸カメラもOK
人間ドックでは、消化器系の検査として胃カメラや大腸カメラも選択できます。
胃と大腸を同日に検査する方法を選べば時間効率が高いため、忙しい一時帰国者の人でも受診しやすいのではないでしょうか。
内視鏡を使用する胃カメラや大腸カメラは、従来のバリウム検査に比べて観察範囲が広く、微小な病変の発見にも優れているため、積極的に受けていただきたい検査です。
例えば、以下のような病気の発見に役立ちます。
検査方法 | 発見される病気の例 |
---|---|
胃カメラ(上部内視鏡検査) | 逆流性食道炎、胃ポリープ、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、食道がん など |
大腸カメラ(下部内視鏡検査) | クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸がん、大腸ポリープ など |
消化器系の病気は初期症状に気付きにくいものも多く、体調不良などを感じた際には進行してしまっているケースもあります。胃カメラや大腸カメラで早期発見・早期治療を目指しましょう。
胃カメラ時の嘔吐反射や不快感などを心配する人も多いですが、鎮静剤を併用することで不快感を軽減でき、初めての人でもリラックスして受けやすい体制が整えられています。
検査には事前準備が必要になり、施設によっては前日からの食事制限や下剤の指示があるため、予約時に必ず確認しましょう。
また、人間ドック実施前に事前診察を行う場合もあります。
費用の目安と健康保険の扱い

人間ドックの費用は施設によって幅があり、検査内容や地域差によっても変わる傾向があります。
ここでは基本的な費用相場や、健康保険との関係、自己負担を軽減するための方法などについて紹介します。
一般的な人間ドックの費用相場
人間ドックの費用は、検査内容や施設の立地条件によって異なります。基本的な半日コースであればおおよそ3万〜5万円前後が相場とされ、これにオプション検査を追加する場合はその分がプラスされます。
例えば、脳ドックや内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を組み合わせると、トータルで10万円近くになるケースもあるでしょう。
また、都市部の医療機関では、最新設備や専門医による検査を提供することも多く、そのような場合は費用が高めになる傾向があります。
費用が高いと迷うこともあるかもしれませんが、その分、検査の精度や内容の充実、フォロー体制の質がより期待できるという一面もあります。
費用に加え、受けたい検査内容と希望の受診環境も考えながら、受診先を選択してみてはいかがでしょうか。
日本の医療保険は適用されるのか
人間ドックは基本的に自由診療の扱いとなるため、原則として日本の医療保険(国民健康保険・社会保険)は適用されません。
ただし、特定の検査において異常が見つかり、追加の精密検査や治療が必要となった場合には、その部分に限って保険適用が認められるケースがあります。
海外在住中の人でも、任意継続などの形で日本の医療保険に加入している場合、この制度の対象となりますが、人間ドックそのものに対しては保険の補助を直接受けることはできません。
あくまで検査の延長で医療行為が必要と判断された際に、保険適用の可能性が生じるという位置付けです。
なお、人間ドックではなく一時帰国時健診の場合はその限りではありません。詳しくはお勤め先や、加入している健康保険組合へお問い合わせください。
扶養や海外居住者扱いでの制限
人間ドック後の要精密検査などは医療保険の対象になる可能性がありますが、健康保険組合に加入していても、場合によっては人間ドック後の補助に制限が生じるケースも存在します。
例えば、海外赴任中に日本の健康保険を「任意継続被保険者」として維持している場合でも、その保険組合によっては人間ドック補助が適用外になることもあります。
また、被扶養者として登録されている場合は、補助対象が本人に限られることもあり、制度の運用は組合ごとに異なる可能性が高いです。
補助制度や受診の可否に関しては、事前に加入している保険組合へ確認してください。
特に一時帰国中に受診を計画している場合には、帰国前の早い段階で問い合わせや確認を済ませておきましょう。
自己負担を抑えるための工夫
健康保険が適用されない人間ドックでも、クーポンや割引サービスを使って自己負担を軽減する方法があります。以下が代表的な方法です。
- クレジットカードの付帯サービス
- 会社や自治体が提供する検診費用の補助制度
- 健康保険組合が用意するクーポン
費用が気になる場合は、こうした制度の有無や条件を事前に調べておくとよいでしょう。
利用しているクレジットカードによっては、提携医療機関の割引やポイント還元などが用意されている場合もあります。
会社や自治体、健康保険組合が提供する補助制度やクーポンも便利です。利用条件は各制度や機関によって異なるため、ご自身の条件を確認してみてください。
検査結果の受け取り方法とその後の対応

人間ドックの検査結果は、すべて即日分かるわけではありません。スケジュールによっては検査結果をすべて知る前に帰国する人もいるでしょう。
ここでは結果の受け取り方、英文対応の有無、海外主治医への情報提供、アフターサポートなどについて紹介します。
即日説明される項目と後日通知される項目
人間ドックでは、当日中に説明される項目と、数日から数週間後に郵送で受け取る項目があります。以下に、即日分かる項目と時間を要する項目を分類しました。
通知時期 | 検査項目 |
---|---|
即日通知 | 【主に基本検査】 ・血圧測定 ・身長・体重測定 ・視力検査 ・心電図 など |
後日通知 | 【主に精密検査】 ・血液検査(血糖・脂質など) ・尿検査 ・画像診断(胸部X線・胃カメラ・大腸カメラなど) ・病理検査 など |
基本検査は即日説明が可能ですが、血液検査や画像診断などの精密検査は、外部機関での解析が必要となるため、後日報告になるケースが一般的です。
しかし当院では、画像診断(胸部X線・胃カメラ・大腸カメラなど)の結果通知を当日にお渡ししております。お急ぎの際にもお役立てください。
また、海外在住者の中には、英語による診断書を希望する人もいるでしょう。
一部の医療機関では英文での検査結果の発行に対応しているため、必要な人は事前に英文での発行も依頼しておくことをおすすめします。
形式や対応言語は施設によって異なるため、予約時に確認してください。
オンラインでの結果受領や相談体制
近年では、人間ドックの検査結果をオンラインで確認できるサービスを導入している施設も増えています。
専用サイトなどを通して、帰国後に検査結果をオンラインで確認できる施設もあります。このような場合は紙の診断書が届くのを待つ必要がありません。
また、再検査が必要とされた場合に備えて、医師とのオンライン相談やメールでの質疑応答を受け付けている医療機関もあります。
短期間の滞在中に全ての対応を完了できない場合でも、こうした体制があれば負担を軽減しやすいでしょう。
自宅からでも確認・相談が可能かどうか、事前に確認しておきましょう。
海外の主治医への情報提供方法
海外での医療継続を視野に入れているのであれば、日本で受けた人間ドックの結果を主治医に提出できるように準備を整えておきましょう。
受診後のスムーズなフォローのためには、英文対応の有無、データ形式、提供方法などを事前に確認しておくとよいでしょう。
検査結果の提出先や用途が明確な場合には、それに適した形式で出力してもらえるかも併せて相談してください。
英文の検査結果を希望する場合、施設によっては翻訳サービスを提供していることがあります。有料か無料かは予約時に問い合わせておきましょう。
また、紙媒体ではなくデジタルデータでの提供が可能な施設もあります。受け渡しに使われるメディアは施設ごとに異なる点には注意が必要です。
検査後のフォローアップや医療相談
人間ドックを受けた後も、必要に応じてフォローアップや医療相談を受けられる体制があるかどうかは重要です。
施設によっては結果説明後に健康相談を実施しており、食事や運動、生活習慣のアドバイスを受けられるようになっています。
また紹介状の発行や、提携病院へのスムーズな案内など、受診後の対応体制も施設選びの判断材料になるでしょう。
短期間の滞在で全ての治療が完了しない場合を見越し、再受診の相談窓口があるかどうかも含めて確認しておくと役立ちます。
広尾クリニック内科・消化器でも、人間ドック後に必要だと思われるフォローを幅広く行っています。気になることやご要望があれば、事前にお問い合わせください。
まとめ
海外在住者が一時帰国中に人間ドックを受ける際は、滞在時間が限られているため、効率的な受診が望ましいです。
対応施設の選定や検査項目の把握、費用や健康保険の取り扱い、検査結果の受け取り方法などを事前に確認しておくと、余裕をもって受診しやすくなります。
胃カメラや大腸カメラを同日に受けられる検査コースや、英文対応、オンラインでの結果通知など、海外在住者に配慮したサービスを提供している施設もあるため、ご自身に必要な対応が可能な施設を選びましょう。
広尾クリニック内科・消化器では、胃カメラ・大腸カメラ検査を含めた人間ドックプランをご用意しています。
広尾駅徒歩1分の好立地でアクセス良好なため、海外から一時帰国の方でもご来院いただきやすくなっています。
一時帰国中に人間ドックの受診を考えている方や、専門医・指導医による胃カメラ・大腸カメラ検査を含めたプランをご希望の方は、ぜひお気軽にご連絡ください。