胃カメラは何歳から受ける?年齢ごとの頻度や検査の目安を解説

胃カメラ 何歳から

胃カメラ検査は、上部消化管の病気を早期発見し健康を守るために重要な役割を果たします。

消化管に異常をきたしている可能性がある方や、胃がんや十二指腸がんのリスクが高い方は、早めの受診や定期的な検査が重要です。

では、胃カメラ検査は何歳からどれくらいの頻度で受けるのが理想なのでしょうか。

この記事では、胃カメラ検査の効果的な頻度や検査を受ける目安について紹介します。

胃カメラ検査を一度も受けたことがない方や、初めて検査を受けるタイミングが分からない方は参考にしてください。

胃カメラ検査は何歳からできる?

胃カメラ 何歳から

胃カメラ検査には特に年齢制限がなく、子どもでも検査を受けることができます。

ただし、子どもは大人と比較して胃カメラ検査の不快感を感じやすく、スコープの挿入が苦痛になりやすいです。

そのため麻酔をする前提での検査となりますが、麻酔が危険と判断される子どもは受けられない可能性があります。

また、子どもは大人と比較して胃がんにかかるリスクが低いため、胃カメラ検査による定期検診は基本的に必要ありません。ただし、症状や状況次第では検査が要されるケースもあります。

医療機関によっては胃カメラ検査の対象年齢を設定している場合があるため、確認しておきましょう。

未成年で胃カメラ検査が必要な場合は、なるべく専門の医療機関や小児の内視鏡検査を取り扱っている病院で受けるのが推奨されます。

胃カメラ検査は何歳から受けるべき?

胃カメラ 何歳から

胃カメラ検査は、疾患のリスクがある場合は年齢に関わらず受ける必要がありますが、症状やピロリ菌感染の可能性が低く、検診として受ける場合は40歳からが目安です

胃がんは年齢を重ねるほどリスクが高まり、40歳になると急激に罹患者が増加するといわれていて、食道がんや十二指腸がんは50歳を過ぎると増加する傾向があるとされています。

そのため、40歳までに一度も胃カメラ検査を受けたことがない人は、この年齢を境に定期検診を始めましょう。

胃カメラ検査は、胃の諸症状があり医師に必要だと判断された場合や、ピロリ菌の感染が疑われるケースでは、年齢に関係なく受診が推奨されます。

何歳になったら受けるべき、という決まりはありませんが、胃にできるがんやその他の病気は初期症状がないケースが多いです。

そのため早期発見に適した受診タイミングについては、かかりつけの医療機関に一度相談することをおすすめします。

年齢ごとの胃カメラ検査の検査頻度

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胃カメラ検査は、年齢に応じて以下の検査頻度を参考に受けましょう。

20~30代

20〜30代は胃カメラ検査による定期検査の必要性は低いですが、特に異常がない場合でも一度は受けておくといいでしょう

この年齢の胃がんリスクは低いですがゼロではなく、ピロリ菌感染がある可能性もあるため、胃カメラ検査を受けたほうが安心だと考える方は20歳・30歳で検査しても問題ありません。

この年齢から胃カメラ検査を受けることで、若い人にも発症のリスクがあるスキルス胃がんの早期発見が見込めます。

スキルス胃がんは進行が早く5年生存率が非常に低いがんで、遺伝や環境などが要因で発症するとされています。

無症状の場合の胃カメラ検査は自費診療になりますが、疾患のリスクが少しでもある場合は早めに検査を受けましょう。

40代

40代では、特に異常がない場合は2〜3年に一度の胃カメラ検査が推奨されます。

胃がんのリスクは40代で急激に上昇するため、胃カメラ検査を一度も受けたことがない人は40歳を目安に一度検査を受けるのがいいでしょう。

胃カメラ検査の効果的な頻度は患者さんの状況によって異なりますが、医療機関によっては1年に1回の受診を推奨しているところもあります。

50歳以上

50歳以上の胃カメラ検査は、2年に1回の頻度で受けるのが推奨されています。

ただし、胃がんのリスクや、ピロリ菌感染の可能性や除菌治療の有無によって効果的な受診頻度が異なります。

主治医に相談したうえで、自分の状況に合った頻度で検査を受けるのがおすすめです。

ケースごとの胃カメラ検査の検査頻度

胃カメラ 何歳から

ここからは、胃カメラ検査のケースごとの検査頻度を紹介します。

ピロリ菌の感染歴や胃がんの治療歴がない場合

ピロリ菌の感染歴や胃がんの治療歴がなく、異常がないケースでは2〜3年に1回の頻度での胃カメラ検査が推奨されます。

胃カメラ検査の効果的な検査頻度は、個人差のほか医師の考えによっても異なるため、この間隔で受けるべきという決まりはありません。

そのため、初めて受ける場合は一度かかりつけの医療機関に相談しましょう。

ピロリ菌の感染歴がある場合

ピロリ菌の感染歴がある場合は、除菌治療を行った場合でも1〜2年に1回胃カメラ検査を受けましょう。

ピロリ菌は胃に炎症を引き起こし、胃がんになりやすい状況を作り出すため、除菌治療をした後も胃がんのリスクがある状態が継続します。

そのため、胃がんの早期発見と経過観察を目的とした定期的な胃カメラ検査が重要です。

早期胃がんの治療経験がある場合

過去に早期胃がんを治療した経験がある場合は、毎年の胃カメラ検査が推奨されます。

胃がんは、治療後も胃内の他の場所に新たな胃がんができる異時多発のリスクがあるため、定期検査による経過観察が重要です。

5年〜10年経過後も異時多発胃がんのリスクが懸念されるため、半年〜1年に1回を目安に検診を受けるようにしましょう。

胃カメラ検査を受けたほうがいい理由

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胃カメラ検査は、以下の理由から受けたほうがいいとされています。

疾患を早期発見・治療するため

胃カメラ検査は、食道や胃、十二指腸の疾患を早期発見・治療するために重要な役割を果たします。

胃がんや十二指腸がんをはじめ、これらの上部消化管に発生する疾患は初期症状がないものが多いため、自ら見つけにいかないと発見が遅れる可能性があります。

症状が現れた頃には手遅れになっているケースもあるため、無症状のうちから検査を受けて早期発見・治療を目指すことが大切です。

快適な日常生活を手に入れるため

胃カメラ検査は、胃の諸症状で悩む人が快適な日常生活を手に入れることに役立つ可能性があります。

慢性胃炎や機能性ディスペプシアなど、胃の慢性的な症状の原因となる疾患は、胃カメラ検査で診断することで治療につなげることが可能です。

いつもお腹の調子が悪い方や、胃もたれ・腹痛を感じやすい方は、胃カメラ検査を受けて原因がはっきりすることで、そのストレスからの解放も期待できるでしょう。

ピロリ菌感染の有無を予測するため

胃カメラで検査をすることで、ピロリ菌感染の有無を予測できます。

ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍や慢性胃炎などを引き起こし、胃がんのリスクを高める要因になります。

胃カメラでピロリ菌の感染を予測したのち、尿素呼気試験や血清抗体法などを行うことで診断の確定が可能です。

ピロリ菌が原因で定期的な胃カメラ検査が必要と医師が判断した場合は、保険適用で検査が受けられます。

胃カメラ検査を受けたほうがいい症状

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以下の症状がある場合は、早めに胃カメラ検査を受けましょう。

  • 胸痛やみぞおちの痛み・不快感がある
  • よく吐き気や胃もたれ、胸やけがする
  • よくゲップが出る
  • 胃から苦いものや酸っぱいものが上がってくる
  • 喉の違和感や声のかすれ、咳などがみられる
  • 貧血がみられる
  • 便が黒い

これらの症状がみられる場合、上部消化管になんらかの疾患が潜んでいる可能性があるため、ケースによっては胃カメラ検査で詳しく検査する必要があります。

また、日常的に繰り返す腹部の症状を内服薬で緩和しながら生活している方は、胃カメラ検査を受けることで根本的な原因を解決できる可能性があります。

症状がない状態での検査や定期検診が目的の場合は自費診療になりますが、症状があり医師が必要と判断した場合や健康診断で要精密検査と判定された場合は保険適用で受診が可能です。

喉の違和感や貧血、黒い便が出るなどの症状がある場合、食道がんや胃がんなどの重い病気が原因になっている可能性が懸念されるため、早急に受診しましょう。

胃カメラ検査を受けたほうがいい人の特徴

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以下の特徴がある人は、早めに胃カメラ検査を受けましょう。

  • 40歳で一度も胃カメラ検査を受けたことがない
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍を経験した過去がある
  • 検診や人間ドックで胃の異常を指摘された
  • 健康診断でピロリ菌が陽性だった
  • 家族が胃がんに罹ったことがある

疾患のリスクが低い方は40代を境に、ピロリ菌感染や胃の疾患が疑われる方、年齢・家族歴によりがんの発生リスクが高い可能性がある方は、早めに胃カメラ検査を受けましょう。

ピロリ菌感染は、胃炎や胃がん、胃・十二指腸潰瘍などさまざまな疾患のリスクを高めるため、早い段階で発見し除菌治療を行うことが重要です。

治療によって胃がんのリスクは大きく減少しますが、再発する可能性がゼロではないことから、除菌後も定期的に胃カメラ検査を受けるのが推奨されます。

また胃がんの原因となるピロリ菌は、おもに乳幼児期に親から子に感染するケースが多いとされています。

そのため胃がんの家族歴だけではなく、家族のピロリ菌感染の有無も胃カメラ検査を受けるべきかの判断材料の一つです。

これらの要因によって胃がんのリスクが懸念される方は、かかりつけの医療機関に相談のうえ、年齢に関係なく胃カメラ検査を検討しましょう。

胃カメラ検査のメリット

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胃カメラ検査には、以下のメリットがあります。

  • 上部消化管の小さな病変も発見できる
  • 疾患の良性・悪性の判断ができる
  • 被ばくの心配がない
  • 発見が期待できる疾患が多い
  • 医師とコミュニケーションをとりながらの検査が可能

胃カメラ検査は疾患の発見率が高く、上部消化管の疾患の早期発見に適しています。

胃カメラ検査のスコープは、バリウム検査では発見が難しい小さな病変や特殊な病変を観察できるほか、形や色調の異常なども発見可能です。

組織の一部を採取し、生検と呼ばれる検査をすることで病変の良性・悪性の判断や的確な治療方針の決定に役立ちます。

バリウム検査は胃カメラ検査と比較してかかる費用が安いですが、異常が指摘された場合には胃カメラ検査により詳細な検査をする必要があるため、結果的に両方の費用が必要になる可能性があります。

また、胃カメラ検査は経鼻内視鏡を選択することで医師とコミュニケーションをとりながら検査を受けることが可能なため、その都度質問や不安な点を解消できるのもメリットです。

胃カメラ検査のデメリット

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胃カメラ検査には、以下のデメリットがあります。

  • 検査時に苦痛を感じやすい
  • 鎮静剤を使用する場合は検査後に自動車やバイクの運転が制限される
  • 鼻出血や穿孔のリスクがある
  • アレルギーがある場合、麻酔を使用できない

胃カメラ検査には苦痛を感じやすい、鼻出血や穿孔のリスクがあるなどのデメリットがあります。

スコープを挿入する際の不快感や咽頭反射が辛く、胃カメラ検査が苦手だと感じる方が多いため、検査には麻酔や鎮静剤が用いられます。

人によっては胃カメラ検査時に用いられる麻酔にアレルギーがある方もおり、その場合は麻酔なしで検査を受けるか、他の方法の選択が必要です。

また鎮静剤を使用した場合は車やバイク、自転車の運転が禁止されるため、送迎の手配ができるようにスケジュールを組む必要があります。

出血や穿孔などの合併症が起こることはまれですが、強い腹痛や腹部膨満を感じる可能性があり、緊急手術が必要になるケースもあります。

胃カメラ検査中の食道の穿孔は、挿入時の激しい咳や嘔吐反射によって引き起こされる場合があるため、経鼻・経口内視鏡の選択は慎重に行うことが大切です。

まとめ

胃カメラ検査が受けられる年齢や、効果的な受診頻度について紹介しました。

胃カメラ検査には年齢制限がなく、多くの場合40歳からの定期検査が推奨されますが、若いうちに受けたほうがいいケースもあります。

胃カメラ検査の受診タイミングは人によって異なるため、検査したことがない方は年齢に関わらず一度かかりつけの内科・消化器科に相談してみてください。

広尾クリニック内科・消化器では、苦痛を軽減した怖くない内視鏡検査を、患者さん一人ひとりに合わせた方法で行います。

短時間で精度の高い検査に努めることで患者さんの身体への負担を減らし、早期の病変であれば胃カメラ検査での治療が可能です。

辛くて怖いと感じる胃カメラ検査を少しでも安心して受けられるようご提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。