大腸内視鏡検査3日前からの食事例│準備やOK・NG食材を紹介

大腸内視鏡 3日前からの食事例

大腸内視鏡検査を受ける際、正確な診断のためには事前の食事制限が欠かせません。特に3日前からの食事は、腸内をきれいに保つうえで重要なポイントとなります。

前日からの対応でも正確な検査ができることは多いですが、3日前から準備しておけば、腸内をより検査しやすい状態に整えられるでしょう。

この記事では、検査の3日前から始めるべき食事内容や注意点、実際の献立例などを紹介します。

検査を控え、食事内容への配慮を考えている人も、具体的な食事例を知ることで準備を進めやすくなるでしょう。

検査当日を万全の状態で迎えるための参考になさってください。

大腸内視鏡検査前の食事制限とは

大腸内視鏡 3日前からの食事例

大腸内視鏡検査前の食事内容を調整して腸内をきれいにしておくと、細部まで観察しやすくなり、より精度の高い検査を行いやすくなります。

ここからは、検査前の食事制限が必要とされる理由と、その開始時期、避けておいたほうがよい食材について紹介します。

検査前に食事を制限する理由

大腸内視鏡検査は、腸の中にある小さな病変やポリープを目視で確認する検査です。腸内に便が残っていると視界が妨げられてしまい、正確な診断が難しくなります。

特に、大腸のひだや屈曲部などは観察しにくいため、少しの残存物でも見落としにつながる恐れがあります。

検査前の食事制限は、こうした見落としを防ぐためにも重要です。検査前の準備が不十分だった場合、再検査が必要になることもあります。

腸を検査のために整えるためには、消化に時間がかかる食品や繊維質の多い食品を控え、消化しやすいものを選ぶようにしましょう。

このような対応は検査の精度を高めるだけでなく、患者さんの身体的負担を抑えることにもつながります。

食事制限の開始時期と段階的な調整

食事制限について、検査の3日前から始めるようにすすめる医療機関も多いです。検査の3日前からは、消化しやすく腸に残りにくい食品を意識して取り入れましょう。

例えば、以下のような食品がおすすめです。

  • 白米
  • うどん
  • 食パン
  • 豆腐
  • 鶏ささみ など

検査2日前からは、さらに繊維質を含む野菜類や海藻類、きのこ類を避け、前日には検査食やおかゆ、具なしのスープなどに切り替えるとよいでしょう。

特に前日は固形物をできるだけ避けることで、下剤の効果が十分に発揮され、腸内をきれいに整えやすくなります。

なお、前日夕食後は絶食とし、水分補給のみに留める方法が一般的です。このような段階的な調整により、無理なく腸内を整えられるでしょう。

避けるべき食材の例と注意点

検査前の数日間は、腸内に残りやすい食材を避けることが重要です。

具体的には繊維質の多い野菜や果物、脂肪分の多い肉、小さな粒が残りやすいフルーツ、そのほか消化の悪いものなどは避けるとよいでしょう。

以下の表で避けるべき食材の具体例を確認してください。

種類代表的な食材
繊維質の多いものごぼう、ほうれん草、セロリ、トマトの皮、バナナ、キウイ、こんにゃく、海藻、きのこ類、豆類、玄米、雑穀
脂肪分の多いもの脂肪分が多い肉、揚げ物、油っぽいもの
小さな粒が残りやすいもの小さな粒が残りやすいもの 黒ごま、いちご
消化の悪いものイカ、タコ、貝類

このほか、ジュース類も「果肉入りのもの」や「繊維質の多いもの」は避けましょう。

特に、日頃便秘気味の方は繊維質が残ってしまいやすいため、数日前から対策しておくことが大切です。

大腸内視鏡検査3日前からの食事例

大腸内視鏡 3日前からの食事例

大腸内視鏡検査の精度をより高めるためには、腸内を整えておくと効果的です。

特に3日前からの食事内容を見直しておくことで、下剤の効果が高まり、腸の隅々まで観察しやすくなるでしょう。

ここでは、消化に優しい主食やたんぱく源、間食に適した食品、検査前には避けたほうがよい飲み物などについて紹介します。

消化に優しい主食の選び方と具体例

検査前の主食は、白くて柔らかく、繊維質の少ないものを選びましょう。

例えば、白米はそのままでもおかゆにしても取り入れやすく、消化面でも優れています。

うどんやそうめんもおすすめですが、薬味や具材は入れず、麺だけを食べるようにしましょう。

パンを選ぶ際も、雑穀やライ麦入りではなく、シンプルなロールパンや食パンが適しています。

一方、玄米・雑穀米・全粒粉パン・ラーメン・パスタなどは、消化に時間がかかり腸内に残りやすいためおすすめできません。

健康的と思われる食品でも検査前には向かないことがあるため、検査前は避けてください。

たんぱく源として適した食品

たんぱく質は体調維持に欠かせない食品のため、検査前でも必要な量を摂取することをおすすめします。

検査前には脂肪分の少ない、消化しやすい食材が適切です。具体例としては以下があります。

  • 鶏ささみ
  • 皮を除いた鶏むね肉
  • 白身魚
  • 豆腐
  • 卵 など

調理法は、ゆでる・蒸す・焼くなど、油を使わない方法が基本です。鶏ささみの酒蒸し、白身魚の煮付け、湯豆腐、茶碗蒸しなどは取り入れやすいのではないでしょうか。

反対に、腸に負担をかけやすい食品は避けましょう。ベーコン・ソーセージ・脂の多い肉類・脂の乗った魚(サバ・ブリなど)は控えることをおすすめします。

おやつや間食に適した食品

空腹感をやわらげるために、適切なおやつを取り入れることも可能です。ただし、繊維質や脂質が少なく、腸に残らないものを選びましょう。

検査前のおやつには、以下のようなものがおすすめです。

  • ボーロ
  • プリン
  • 果肉の入っていないゼリー飲料 など

このようなものは比較的消化も良く、少量で満足感を得られやすいです。一方で、以下のようなものは控えましょう。

  • チョコレート
  • ナッツ類
  • ドライフルーツ
  • あんこ
  • バターの多い焼き菓子
  • 果物のジャム類 など

普段はお楽しみやご褒美として食べる人も多いおやつですが、大腸内視鏡検査前には量と内容の両面から調整しましょう。

摂取を控えたい飲み物

大腸内視鏡検査の日程が近くなったら、飲み物にも気を配るようにしましょう。以下の飲み物の摂取を控えるタイミングについて、医師と相談してみることをおすすめします。

【果肉入りジュースやスムージー】

果肉や繊維質が含まれている飲み物は、腸内に残りやすく、検査の視認性を低下させる可能性があります。

2日前・1日前の食事で気をつけたいこと

大腸内視鏡 3日前からの食事例

大腸内視鏡検査の精度を高めるためには、検査前日だけでなく、2日前からの食事内容にも注意が必要です。

腸内に残りやすい食材は避け、徐々に消化に良い食事に切り替えていくことが大切です。

ここでは、2日前と1日前の注意点、おすすめメニュー、市販の検査食の活用法について紹介します。

2日前の食事は3日前とほぼ同様に

検査の2日前は、基本的に3日前と同様の食事制限を継続する期間で、大きな変化はありません。

3日前に引き続き、腸内に残りやすい食材を避け、消化にやさしい食事を意識しましょう。以下に該当する食材は引き続き控えることをおすすめします。

  • 繊維質の多いもの
  • 脂肪分が多いもの
  • 小さな粒が残りやすいもの
  • 消化の悪いもの

2日目は調整段階と考えて、腸に残らない食事を意識的に続けてください。

1日前はどう過ごす?最後の食事時間と中身

検査前日は食事制限の最終段階にあたります。3日前・2日前と内容に大きな差はありませんが、食事の時間と内容、形状などが重要になります。

多くの場合、夕食は20時までに済ませるように指示されるため、それ以降は食事を控え、水や透明な飲み物だけで過ごします。

夕食では固形物を避け、具なしのおかゆ、素うどん、完全に濾したスープなど液状のものや消化によいものを選びましょう。

市販の検査食を活用する方法

検査前日の食事に不安がある場合、市販の検査食を利用する方法があります。医療機関によっては前日の食事に指定することもあるため、その際には指示に従ってください。

大腸検査専用に設計された食事セットは、腸内に残りにくい食材が使われており、白がゆ、スープ、具なし煮込み、ゼリー飲料などで構成されています。

調理の手間がなく、そのまま食べられるため、時間がない人や献立に迷う人にも向いています。

市販の検査食にも使用期限や摂取の手順が定められているため、必ず指定された通りに使用しましょう。

意外に見落としがちな食材・飲料と水分補給の重要性

大腸内視鏡 3日前からの食事例

検査前に気を付けていたつもりでも、意外に見落としがちなNG食材・飲料があります。

ここでは、見落としがちな食材や飲料、摂取した際に考えられる影響について紹介します。

意外に見落としがちな食材・飲料

検査前の食事制限では、明らかにNGと分かるもの以外にも、見た目や印象から誤って摂取されやすい食品や飲料があります。以下のような例は特に注意が必要です。

【スープ類】

見た目が液体でも、ポタージュやコーンスープ、野菜スープなどは細かい繊維や粒子が腸内に残る可能性があります。完全に濾したコンソメなどを除き、避けておいた方がよいでしょう。

【間食】

飴やガムは一見無害に思えますが、人工甘味料や色素が含まれていることが多く、腸の動きを刺激する原因になります。

このように、一見問題なさそうに見えるものでも、意外とNG成分が含まれていることが少なくありません。

検査前は「透明で成分が明確なもの」以外は口にしないという前提で行動すると、リスクを避けやすくなるでしょう。迷った時には医師に相談するのがおすすめです。

検査当日の水分は水やスポーツドリンクで

検査当日になると、水分摂取のために選べる飲料も限定されてきます。

しかし、水分不足は健康を損ねる恐れがあります。前日までの食事制限で体力が落ちているケースも考えられるため、そのサポートとしても充分な水分は重要です。

万全の体調で検査に臨むためにも、水分補給は意識して行いましょう。

なお、当院広尾クリニック内科・消化器では、水かスポーツドリンクによる水分補給をお願いしています。

まとめ

大腸内視鏡検査を受ける際の食事制限は、腸内を検査しやすく整えるために欠かせません。

検査前に摂取する食品や飲料には注意が必要で、消化にやさしいものを選びましょう。

特に、繊維質が多いものや脂肪分が多い食品は腸内に残りやすく、検査を難しくすることがあります。飲み物についても制限があるため、医師の指導を守るようにしてください。

事前の食事制限をしっかり行うことによって検査精度が向上し、病気や異常の早期発見・早期治療につながります。

検査前の食事制限はつらいかもしれませんが、検査の精度を上げ、小さな病変でも見逃さないようにする大切なステップです。

広尾クリニック内科・消化器では、大腸内視鏡検査前の食事についてご質問いただけます。3日前から前日に食べていただきたいもののご説明や、量や形状などについても分かりやすくお伝えします。

また、必要であれば検査食についてもご相談いただけます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。