血便が出たらすぐ受診!病院へ行くべき理由と放置の危険

血便 出た

血便が出ると驚き、不安を感じるものです。原因が分からず、「一度だけなら様子を見てもいいのでは」と考えるかもしれません。

しかし、血便の背後には、深刻な病気が隠れている可能性があります。

血便が出たり出なかったりする場合や、トイレットペーパーに血がつかない場合でも、体内で出血が続いていることがあるため注意が必要です。

この記事では、血便の原因や受診すべき症状、診察の流れについて紹介します。

血便が出たときに受診するべき診療科や、血便緊急外来の情報も解説するため、迷ったときの参考にしてみてください。

血便が出た時に病院へ行くべき判断基準

血便 出た

出血量の大小にかかわらず、血便は体の異常を示す重要なサインです。

痔や一時的な腸の炎症が原因の場合もありますが、大腸がんや炎症性腸疾患など、放置できない病気が隠れている可能性も考えられます。

一度だけの血便でも、自己判断で様子を見るのではなく、適切な診察を受けることが重要です。

ここでは、血便が出た時に病院へ行くべき判断基準について紹介します。

すぐに病院へ行くべき血便の特徴

血便が出た場合、重大な病気が隠れている可能性があるため、大量の出血や排便後の出血、腹痛・発熱、黒い色の便が出た場合などはすぐに医療機関を受診しましょう。

まず、大量の出血がある場合は注意が必要です。便器が赤く染まるほどの出血や、排便後も出血が続く場合は、大腸や直腸の異常が疑われます。

特に、短時間で出血量が増える場合は緊急受診を視野に入れる必要があります。

血便に加えて強い腹痛や発熱があれば、感染性腸炎や炎症性腸疾患の可能性があります。腸内の炎症や感染症の影響が考えられるため、放置せずに診察を受けることが重要です。

また、血便の色が黒い場合(タール状の便)は、胃や十二指腸などの消化管上部で出血が起こっている可能性があります。

このほか、めまいや立ちくらみ、息切れなどの貧血症状を伴う場合は、体内で慢性的な出血が続いている恐れがあるため、早めに医師の診察を受けてください。

軽度に思えても受診してほしい血便の特徴

血便が少量で特に強い症状を伴わない場合でも、受診せずに放置するのはおすすめできません。

少量の出血や一度だけの血便、出血していても痛みがないようなケースでも、病気の早期発見のために医療機関での診察を受けることをおすすめします。

例えば便の表面に少量の血が付着している場合、痔(軽度の裂肛など)が原因であることが多いですが、大腸ポリープや早期の大腸がんでも同様の症状が起こります。

また、一度だけの血便で体調に特に変化がないケースでも、消化管のどこかで出血が起こっていた可能性が否定できないため、原因を特定することが重要です。

中には『血便が出たが痛みがない』ということもありますが、大腸の奥で出血が起こっている可能性が考えられます。

自覚症状が乏しくても、腸内で病変が進行している場合があるため、軽視せずに医師の診察を受けることが大切です。

血便の色と出血部位の関係とは?

血便 出た

血便の色は、出血している部位を推測する重要な手がかりです。

鮮やかな赤色の血便は肛門や直腸からの出血が多く、暗赤色や黒色の便は上部消化管からの出血を示していることがあります。

ここでは、血便の色ごとに考えられる出血部位や、便の状態から判断できるポイントについて解説します。

血便の色から考えられる出血部位

血便の色の違いは、出血した部位によって異なります。血便の色でどの部位で出血が起こっているのかを把握しやすくなり、病気の可能性についてより明確な予想ができるでしょう。

血便の色は主に以下のような種類があり、出血が予想される部位と対応していることが多いです。

考えられる出血部位
赤い血(鮮血)肛門・直腸など下部消化管
暗めの赤大腸や小腸、胃など消化器の粘膜
黒色胃や十二指腸など上部消化管

赤い血(鮮血)が見られる場合、出血部位は肛門や直腸、大腸の下部であることが多いです。痔、大腸の炎症などが原因として考えられます。出血が比較的新しいため、血液の色が鮮やかです。

次に、暗赤色(黒っぽくないが暗めの血)が混ざっている場合は、大腸の上部や小腸での出血が疑われます。

出血から排便までに時間がかかるため、血液が腸内で変化し、鮮血よりも暗い色になることが多いです。大腸ポリープや大腸炎、腫瘍などが関係しているケースがあります。

黒色(タール便)が見られる場合は、胃や十二指腸などの上部消化管からの出血が原因と考えられます。

血液が胃酸と混ざることで黒く変色し、粘り気のあるタール状になった状態です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、消化管の腫瘍などが原因となることがあり、貧血の症状を伴うこともあります。

出血と便の状態で分かるポイント

血便の色だけでなく、出血や便の状態によっても、出血の原因を推測できます。便の状態を観察し、どのような異常があるのかを確認することが重要です。

例えば、以下のような違いがあります。

便の状態考えられる可能性
便の表面に血が付着肛門付近で出血の可能性
便全体が赤い大腸の内部で出血の可能性
粘液や膿が混ざっている炎症性腸疾患の可能性

便の表面に血が付着している場合は、肛門付近の出血が原因であることが多く、痔の可能性が高いと考えられます。排便時に痛みを伴うことがあり、トイレットペーパーに血がつくこともあります。

便全体が赤く染まっている場合は、大腸の内部で出血している可能性があります。出血量が多い場合や、血が混ざることで便全体に赤みが広がることが特徴です。

粘液や膿が混ざった血便が見られる場合は、炎症性腸疾患の可能性が考えられます。こうした症状が続く場合は、医師による検査が必要です。

血便の状態を注意深く観察し、異常が見られた場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

血便が出たり出なかったりする場合の注意点

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血便が出たり出なかったりする症状が続く場合、何かの病気が隠れている可能性があります。

ここでは、血便が出たり出なかったりする原因と、受診が必要な理由について紹介します。

血便が断続的に出る原因

血便が出たり出なかったりする場合、腸内で断続的な出血が起こっている可能性があります。考えられる原因としては以下が代表的です。

  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • 炎症性腸疾患
  • 痔(痔核[いぼ痔]・裂肛[きれ痔]・痔ろう) など

大腸ポリープや大腸がんは、初期症状がほとんどありません。症状が進むにつれて出血する段階のはじめになると、血便が出たり出なかったりすると感じる可能性があります。

炎症性腸疾患とは腸粘膜に炎症や潰瘍が起こる病気で、潰瘍性大腸炎やクローン病がよく知られています。このような疾患は腸の炎症が悪化したときに出血が起こるため、血便が断続的に見られるでしょう。

さらに、痔でも排便時の刺激によって出血が起こることがあり、症状の程度によって血便の頻度が変わるケースがあります。

血便が出たり出なかったり…といった状態が続くと、なかなか受診する気持ちになれない人もいるかもしれません。

しかし、重大な病気が隠れている恐れもあるため、受診して原因を特定することを強くおすすめします。

血便が出たり出なかったりしても受診すべき理由

血便が一時的に消えたとしても、体内で出血が続いている可能性があります。特に、少量の出血が長期間続くことで、気づかないうちに体調へ影響を及ぼすこともあります。

また、血便は一度消えても、根本的な原因が解決していなければ再発の可能性が否定できず、放置することで悪化するケースもあります。

見た目に変化がなくても、身体の内部では何らかの異常が進行している可能性が考えられるため、自己判断せずに適切な検査を受けることが大切です。

血便が出た時の受診先は何科?

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血便の原因が消化管にあると考えられる場合、消化器内科の受診を検討しましょう。

大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、感染性腸炎などの可能性があり、内視鏡検査による診断が必要になることがあるためです。

特に、血便が繰り返し出る、便の色が黒っぽくなる、下痢や腹痛を伴うといった症状がある場合は、消化管の異常が疑われます。その場合、大腸内視鏡を行い、出血の原因を特定することが重要になるでしょう。

早期の診察によって、大腸ポリープや炎症性腸疾患などを早期発見できる可能性が高くなります。

また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が原因で出血している場合にも血便が出ることがあります。

このような疾患では便が黒っぽくなるケースが多く、進行すると貧血の症状を伴う恐れがあり、やはり治療が望ましいです。

血便の原因を特定するためにも、消化器内科で適切な検査を受けることが大切です。

心配いらない血便はない!血便が出たら迷わず受診を

血便 出た

血便の原因はさまざまですが、「心配いらない血便」はありません

血便が出た時点で、何らかの異常が起こっているということです。中には重大な病気が隠れていることもあります。

一度でも血便が出たら、念のため、病院の受診をおすすめします。

消化器や肛門に関する病気は、比較的軽度で治療しやすいものもあれば、放置すると生命に関わる重大な病気も多く、中には発症のサインが似ているものが少なくありません。

そのため、自分では「大したことがない」と思っていても、実際は重大な病気だったというケースにつながってしまう恐れがあります。

早めに受診することで早期発見・早期治療ができる可能性が高まります。血便が出たら放置せず、病院で原因を特定するように検討してみてください。

なお、以下のような場合は緊急性が高いため、すぐに病院を受診しましょう。

  • 排便に鮮血が混じっていた
  • 血便だけではなく、貧血も感じる
  • 血便だけではなく、腹痛も出ている

このような状態は少しでも早い診断や治療が必要になる可能性が高いです。状態によっては『血便緊急外来』の受診も考慮してみてください。

血便緊急外来とは、緊急性のある血便の症状が出た患者さんを対象にした専門外来で、必要に応じて優先的に診察や検査を行います。

大腸カメラ、S状結腸内視鏡などの内視鏡検査で原因を特定し、必要な治療をその場で行える外来です。

広尾クリニック内科・消化器でも血便緊急外来体制を整えておりますので、緊急時には受診をご検討ください。

まとめ

血便が出たとき、受診のタイミングを迷う人は少なくありません。

肛門が切れて血がつくケースもありますが、血便が見られる病気はさまざまで、すぐに治療を必要とする重大な病気が隠されている可能性もあります。

一度でも出血があった場合には、念のため早めの受診を強くおすすめします。重大な病気が隠されている場合、早期発見や早期治療につながるでしょう。

また、緊急性が高い場合には『血便緊急外来』を可能な限り早く受診することも大切です。

広尾クリニック内科・消化器では、血便緊急外来を開設し、緊急性の高い血便症状に対応しています。即日検査も可能なため、難しい症状でも早期治療へつなげやすくなります。

血便でご不安や異常を感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。

また、診察の際、血便の写真があればより適切な診断につなげやすくなるため、可能なら撮影をお願いいたします。