大腸がんは「症状が出る前」の発見が大切です

40歳を過ぎて、これまで一度も大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けたことがないという方は、少なくありません。「今のところ体調に問題がないし」「症状が出てから受ければいいのでは」と考えてしまうのも自然なことです。

しかし、大腸がんは早期の段階では自覚症状がほとんどないのが特徴です。症状が出てから発見された場合と、症状のない段階で見つかった場合では、治療の選択肢が大きく異なることがあります。また、大腸がんの多くは良性の大腸ポリープから発生するといわれているため、ポリープの段階で発見・切除することで、大腸がんそのものを予防することもできます。

このページでは、40歳を過ぎた方に大腸カメラ検査をおすすめする理由と、検査を受けるうえで気になる不安や疑問にお答えします。

なぜ40歳から大腸カメラ検査がすすめられるのか

40歳以降、大腸がんの罹患率が上昇します

大腸がんは加齢とともに罹患率が上昇する疾患で、約90%は50歳以上で発症するとされています。ただし、40代から罹患数が増え始めるため、厚生労働省の大腸がん検診でも40歳以上を対象として便潜血検査が推奨されています。

日本人のがん死亡数を部位別にみると、大腸がんは女性で1位、男性で2位(2023年時点)となっています。食生活の欧米化・飲酒・喫煙・運動不足といった生活習慣の影響もあり、大腸がんの罹患者数・死亡者数はいずれも増加傾向にあります。40歳を過ぎたら、一度は大腸カメラ検査で大腸の状態を確認しておくことが大切です。

早期の大腸がんは自覚症状がほとんどありません

大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんど現れないのが特徴です。進行すると、血便・便が細くなる・便秘と下痢を繰り返す・腹痛・体重減少などが現れますが、これらの症状が出る頃には、がんがある程度進行している可能性があります。

「症状が出てから受ければいい」ではなく、「症状が出る前に検査を受ける」ことが、大腸がんの早期発見・早期治療、そして予防には欠かせません。

大腸がんの多くは良性のポリープから発生します

大腸がんのほとんどは、良性の大腸ポリープ(腺腫)から発生するといわれています。つまり、ポリープの段階で発見して切除することができれば、その部位から大腸がんが発生することを防げる可能性があります。

大腸ポリープも、多くは自覚症状がありません。症状がない段階で定期的に大腸カメラ検査を受け、ポリープがあれば切除しておくことが、大腸がんの予防として非常に効果的です。

便潜血検査だけでは不十分な理由

便潜血検査の役割と限界

40歳以上の方を対象に、多くの自治体や職場の健康診断で便潜血検査が行われています。便潜血検査は身体への負担がなく簡便で、大腸がん検診の一次スクリーニングとして重要な役割を果たしています。

一方で、便潜血検査は「大腸のどこかから出血があるかどうか」を調べる検査であり、すべての大腸がん・大腸ポリープを捉えられるわけではありません。特に早期の大腸がんやポリープは出血量が少ないため、便潜血検査で陰性と判定されることもあります。また、陽性となった場合には、その原因を調べるために大腸カメラ検査が必要となります。

大腸カメラだからこそ分かること

大腸カメラ検査は、大腸の粘膜を直接観察することで、便潜血検査では捉えられない小さなポリープや、出血していないがんも発見することができます。また、検査中にポリープが見つかった場合、10ミリ程度までのポリープであればその場で日帰り切除することも可能です。

便潜血検査で陰性が続いている方でも、40歳を過ぎたらぜひ一度、大腸カメラ検査で大腸の状態を直接確認されることをお勧めします。

こんな方は早めの大腸カメラ検査を

以下に当てはまる方は、40代のうち、あるいはできるだけ早めに大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。

  • 血縁者に大腸がんの方がいらっしゃる方
  • 過去に大腸ポリープを指摘されたことがある方
  • 便潜血検査で陽性と判定された方
  • 血便・下痢と便秘を繰り返す・便が細くなったなどの症状がある方
  • 貧血(特に男性・閉経後の女性)を指摘された方
  • 食生活が脂っこいものや動物性たんぱく質に偏っている方
  • 飲酒・喫煙の習慣がある方
  • 運動不足・肥満気味の方

これらに複数当てはまる方はリスクがより高くなると考えられます。自覚症状の有無にかかわらず、一度大腸の状態を確認しておくことが、安心にもつながります。

「まだ大丈夫」と思っている方へ伝えたいこと

「仕事が忙しくて検査を受ける時間がない」「とくに症状もないから後回しでいいか」と、大腸カメラ検査を先延ばしにされている方は少なくありません。しかし、大腸がんや大腸ポリープは症状のない段階で発見することに最も意義があります。

症状が出てから発見された場合、がんが進行している可能性があり、内視鏡治療などの低侵襲な治療が選択できないこともあります。一方、症状のない段階で定期的に大腸カメラを受けていれば、ポリープの段階で見つけて切除でき、大腸がんそのものを予防することも可能です。

「今は大丈夫」と感じている今こそが、大腸カメラ検査を受ける最適なタイミングでもあります。40歳を過ぎて一度も検査を受けていない方は、この機会にぜひご検討ください。

大腸カメラ検査への不安にお答えします

初めて大腸カメラ検査を受けられる方にとって、検査への不安は自然なことです。多くの方が気にされるポイントにつ​​いてお答えします。

検査の苦痛が心配な方へ

大腸カメラ検査で感じる痛みや不快感は、腸の曲がり角を通過する際の操作によるものが多いといわれています。当院では、日本消化器内視鏡学会専門医である院長が、虎の門病院を中心に培った約3万件の内視鏡経験をもとに、丁寧な挿入と観察により苦痛を最小限に抑えた検査を心がけています。

また、ご希望の方には鎮静剤を使用することで、眠った状態で検査を受けていただけます。「検査中の記憶がほとんどなく、気がついたら終わっていた」と感じられる方もいらっしゃいます。

恥ずかしさが気になる方へ

大腸カメラ検査を受ける際は、プライバシーに配慮した環境が重要です。当院では、患者さんが落ち着いて検査に臨めるよう、プライバシーに配慮した環境づくりを心がけています。

検査にかかる時間が心配な方へ

大腸カメラの検査自体は、通常15〜30分程度です。ただし、検査前日から前処置用の下剤服用による準備が必要となり、検査当日も前処置の時間と、鎮静剤を使用した場合は検査後の休憩時間が必要です。土曜日の午前中も診療を行っていますので、平日に時間を取りにくい方もご利用いただけます。

費用面が気になる方へ

大腸カメラ検査は健康保険が適用されます。検査内容や生検・ポリープ切除の有無によって費用は異なりますので、詳しくは「大腸内視鏡・当院の特徴」ページの費用の項目をご参照ください。

大腸内視鏡・当院の特徴はこちら

検査結果に異常がなかった場合のフォローアップ

初めての大腸カメラ検査でポリープやがんなどの異常が見つからなかった場合は、その後はしばらく大腸カメラ検査を受けなくても、大腸がん発症リスクが低い状態が続くといわれています。

一般的な目安として、初回検査で異常がなかった方は、5年後を目安に次回の検査を受けることが提案されています。ただし、家族歴・生活習慣・年齢・便潜血検査の結果などを踏まえて、個別に適切な検査間隔をご提案します。

※初回検査でポリープが発見された場合や、その他所見があった場合は、所見に応じた経過観察の間隔をご提案します。詳しくは診察時にご相談ください。

よくあるご質問

症状がないのに、大腸カメラを受ける必要はありますか?

大腸がんや大腸ポリープは、早期の段階ではほとんど自覚症状がないのが特徴です。
「症状がないから大丈夫」ではなく、症状が出る前の段階で発見することこそが、大腸がんの早期発見・予防のために重要です。40歳を過ぎて一度も大腸カメラ検査を受けたことがない方は、一度受けておかれることをお勧めします。

便潜血検査で陰性なら、大腸カメラは不要ですか?

便潜血検査は大腸がん検診の重要な一次スクリーニングですが、すべての大腸がんや大腸ポリープを捉えられるわけではありません。特に早期の大腸がんやポリープは出血量が少なく、便潜血検査で陰性となることがあります。40歳を過ぎたら、便潜血検査の結果にかかわらず、一度大腸カメラ検査で大腸の状態を直接確認されることをお勧めします。

初めての大腸カメラ検査で気をつけることは何ですか?

大腸カメラ検査は、検査前日からの食事の工夫、前処置の下剤服用など、事前の準備が大切な検査です。検査予約時に、前日の食事や下剤の服用方法、当日のスケジュールについて詳しくご説明します。また、常用のお薬がある方や、過去の腹部手術歴のある方、妊娠の可能性のある方は、予約時または診察時に必ずお伝えください。

検査は痛いですか?どのくらい時間がかかりますか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、経験のある医師による丁寧な操作と、ご希望に応じた鎮静剤の使用により、苦痛を最小限に抑えた検査を心がけています。検査自体の所要時間は通常15〜30分程度です。検査前後の準備と休憩を含めた合計時間は、検査予約時に詳しくご案内します。

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